Keysight 差動プローブ事例紹介

 産業機器メーカー(設計・開発部門)
 差動インタフェースで予想外のトラブルが発生、
 コモンモード・ノイズを侮る事なかれ

電子機器に広く普及する差動インタフェース技術。現在では、かなり馴染み深い技術と言って過言ではないだろう。しかし、侮る事なかれ。高速な伝送路だけに、トラブルの原因となる危険性を秘めている。差動信号は差動プローブで評価すればすべてOKではないことをご存じだろうか?

 

【1】背景と問題  

産業機器メーカー(設計・開発部門)
差動インタフェースで予想外のトラブルが発生、
コモンモード・ノイズを侮る事なかれ


【1】問題と背景

【2】解決:トラブルの原因は、予想外のところに

【3】この問題を解決したソリューション


この問題を解決した差動プローブについて:

 製品ページを見る
   ・N2750A ・・・1.5GHz
   ・N2751A ・・・3.5GHz
   ・N2752A ・・・6GHz

 カタログを見る

 無償デモ、デモ機のお貸出し

 お見積もりのご請求

 
   USBやHDMI、PCI Express(R)、シリアルATA、Thunderbolt・・・。これらの名称を御存知だろうか。いずれも、パソコンや民生機器、モバイル機器、組み込み機器などで使われているインタフェース技術の規格名であり、2000年以降に実用化された比較的新しいインタフェース規格である。特徴は高速であること。例えば、2013年8月に規格の内容が公開されたUSB3.1のデータ伝送速度は10Gビット/秒と極めて高い。

 こうした高速インタフェース規格には、ある共通点がある。それは、差動伝送方式を採用している点だ。差動伝送方式では、近接させた2本のライン(信号配線)を使う。一方のラインではプラス信号を、もう一方のラインでは極性を反転させたマイナス信号を送る。そしてレシーバ回路では、2つの信号を合成することで受信するという仕組みである。

 最大の特徴は、ノイズ特性に優れていること。外部から到来したノイズの影響を受けても大丈夫だ。ノイズは2本のラインに同じ影響を与えるため、レシーバ回路で合成することでノイズの影響を打ち消せるからである。さらに、ラインから外部に放射される雑音(EMI)も低く抑えられる。ごく近くにプラス信号とマイナス信号を送るラインを配置しているため、それぞれのラインから発生した磁界は打ち消し合うためである。特徴は、もう1つある。それは、高速な信号伝送が可能なことだ。ノイズ耐性が高いため、信号振幅を小さくできるからである。信号振幅が小さければ、0から1、1から0に信号が遷移する時間が短くなる。その分だけ、高速化が可能になる。

 高速化が容易な上に、ノイズ特性に優れる。いまや差動伝送方式は、高性能化が進むパソコンや民生機器、モバイル機器、組み込み機器などにとって、欠くことができない重要な技術となったと言える。電子機器の設計者にとっても、差動伝送方式を採用した高速インタフェースの普及は歓迎すべきことである。かつて主流だったシングルエンド伝送方式では、高速化が進むたびに、信号品質(シグナル・インテグリティ)の確保で頭を悩ませていたからだ。差動伝送方式を採用すれば、信号品質に関する問題が完全になくなるわけではないが、だいぶ軽減できる。

 とはいっても、人間万事塞翁が馬。差動伝送方式を採用した高速インタフェースを電子機器に適用する設計作業には、思わぬ「落とし穴」が存在する。今日もまた、一人の若手設計エンジニアがその魔の手にかかろうとしていた・・・。

USB2.0を採用へ

 中堅産業機器メーカーであるA社では、ある用途に向けた製造装置の次機種に関する開発会議を開いていた。会議の冒頭、開発責任者であるM部長から、開発の方向性について説明があった。

 「次の機種では、外部インタフェースにUSB2.0を採用しようと思う。いつも使っているマイコンの最新バージョンでUSB2.0のインタフェース回路が搭載されたほか、外付けの周辺装置や記録媒体もUSB対応品がだいぶ増えてきた。今回、採用に踏み切る良い機会だと判断した。設計部門には、対応をお願いしたい」。そう話して、M氏は静かに席に着いた。このときY氏は、M氏の発言の重要さに気づいていなかった。

 Y氏は、A社に勤務する設計エンジニアである。年齢は28才。勤務年数は5年とちょっと。まだまだ若手として扱われるエンジニアだった。

 まだ会議は続いていたが、隣に座っていたN氏が、小さな声で話し掛けてきた。「いまの話、聞いてた?お前が担当だから、しっかり対応してね。甘く見てると痛い目に遭うよ。よろしく」。N氏は、Y氏の所属する設計部門の先輩エンジニアである。仕事は早い上に丁寧だし、知識も豊富。非の打ち所がないエンジニアだった。しかし、Y氏はN氏があまり好きではなかった。いつも、なぜかY氏に辛く当たるからである。このひそひそ話だって、何となく嫌みっぽい。心に中で「えっ、痛い目に遭うよだって・・・。バカにすんな」とつぶやきながら、「了解で〜す」とN氏に軽く返答した。

 Y氏は自分のことを、優秀なエンジニアだとは思っていなかった。と言うより、まだまだ半人前だと認識していた。しかし、次機種での大きな変更ポイントは、外部インタフェースとしてUSB2.0を採用することぐらい。そのほかに、特筆すべき変更ポイントはなかった。「この程度であれば、ボクでも簡単に対応できそうだな」とY氏は感じていた。もちろん、Y氏にとって、USB2.0インタフェースを採用した電子機器の設計は初めて。しかし、USB2.0のことなら、それなりに知っている。しかも、すでに多くの電子機器で採用されており、いわば当たり前のインタフェース技術である。エレクトロニクス業界において、USB2.0の採用でトラブルに見舞われたなんて話は、最近はとんと聞いたこともない。だからといって、手は抜かない。持てる力を十二分につぎ込んで設計作業に取りかかった。

 作業は、スケジュール通りに完了した。「これなら完璧のはず」。仕上がりは上々だった。

※PCI-SIG®, PCIe® and the PCI Express® are US registered trademarks and/or service marks of PCI-SIG.
   
  トップへもどる
   
 
NEXT >> トラブルの原因は、予想外のところに  
 
123次のページ
   
   
  目次
 

産業機器メーカー(設計・開発部門)
差動インタフェースで予想外のトラブルが発生、
コモンモード・ノイズを侮る事なかれ


【1】問題と背景
【2】解決:トラブルの原因は、予想外のところに
【3】この問題を解決したソリューション



この問題を解決した差動プローブについて:

 
  製品ページを見る
   ・N2750A ・・・1.5GHz
   ・N2751A ・・・3.5GHz
   ・N2752A ・・・6GHz
   カタログを見る
   無償デモ、デモ機のお貸出し
   お見積もりのご請求