DDR3メモリ 事例紹介

 海外の組み込み機器メーカー(設計部門)
 設計難易度が飛躍的に高まるDDR3メモリ
 ロジアナとシミュレータの活用で立ち向かう

 高速なメモリ・バスである「DDR3」。これを電子機器に採用すれば、システムの高性能化を実現できる。
 しかし、伝送速度が極めて高い上に、従来は使っていなかった新技術を適用している。
 このことがトラブルを生む危険性を秘めている。

【2】解決1:「そのシミュレーション、本当に正しいの」  

事例紹介:
海外の組み込み機器メーカー(設計部門)
設計難易度が飛躍的に高まるDDR3メモリ
ロジアナとシミュレータの活用で立ち向かう


【1】問題と背景

【2】解決1:「そのシミュレーション、本当に正しいの」

【3】解決2:「オシロだけじゃダメ、ロジアナも活用しなきゃ」

【4】この問題を解決したソリューション


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   新機種のシステム設計が終わり、K氏の手元に設計データが届いたのは9月初旬だった。設計データのファイルを開けようとしたとき、ふと右肩を叩かれた。T氏だった。「結構、DDR3は設計が難しいっていう話だ。十分に注意しろよな」と一言、K氏に忠告した。K氏は、「あぁ、そのくらいは俺も分かっている。自分なりに勉強したつもりだ。任せておけって」と自信満々に言い返した。

 こう答えたK氏だったが、実はあまり自信はなかった。多くのエンジニアがDDR3のプリント基板設計はかなり難しいと証言している。それに初めて挑戦するわけだ。自信があるはずはなかった。強気な言葉は、不安の裏返しだったのだ。しかしK氏は、実際に予習をかなり積んでいた。DDR3のような高速な信号ラインをプリント基板にレイアウトする場合、配慮しなければならない点が非常に多くなる。それはDDR2のときの比にならないほどだ。それだけに作業は困難になる。しかし、K氏はコツコツと作業を進めることで、当初のスケジュール通りに設計を完了させた。従来から活用しており、DDR2のときも使った伝送線路シミュレータでの解析(シミュレーション)結果も良好だった。DDR3メモリ・バスを流れる信号のアイパターンはきれいに開いている。「これなら大丈夫だ」。K氏は、難しい課題をクリアした充実感に浸りながら、基板設計データを基板メーカーへと送った。

 数週間後、プリント基板の試作品が送られてきた。K氏は、まずDDR3メモリ・バスの信号波形を確認した。自信はあった。十分に注意を払って設計したし、シミュレーション結果も良好だったからだ。しかし、その自信はもろくも崩れ去った。オシロスコープに現れたアイパターンは醜くつぶれたものだったのだ。「あれ、おかしいな。そもそもシミュレーション結果とこんなに違うなんて・・・」。K氏は焦った。すごく焦った。

 プリント基板の試作品が完成したことは、T氏の耳にも入っていた。「どんな出来映えかな」。そうつぶやきながら、K氏のデスクへと向かった。雑然とモノが置かれたK氏のデスク。そこには顔面蒼白で、オシロスコープの画面に見入っているK氏がいた。T氏もその画面を見る。醜いアイパターン。T氏は、K氏に「まさか、これがDDR3の波形じゃないよな」と語気を荒げて聞いた。「いや、これがそうだ。何でなんだろう」とK氏は弱い声で答える。「だから言ったじゃないか。せっかく忠告したのに・・・」。二人の間に沈黙が流れた。

 翌日、T氏は再びK氏のデスクを訪ねた。「おはよう。問題解決の糸口は見つかったか」。「いや、まだだ」。「ところで、基板試作前のシミュレーション結果って、どうだったの?」。「それは良好だった。それなのに試作品はこのざまだ」。K氏は、両手を広げておどけて見せた。

 実はT氏は昨晩、友人に電話をかけていた。その友人とは、大学生のときに同じ研究室で苦労をともにした仲間で、コンピュータ・メーカーに就職したエンジニアだった。昨年、展示会でばったり出会い、そのときにDDR3のトラブルに関する愚痴を聞いた。そこで、その友人に電話をかけて、DDR3のシミュレーションについてアドバイスをもらっていた。

 再び、T氏が口を開く。「友人に聞いた話だけど、DDR3メモリを採用した基板設計はかなり難しいらしい。シミュレーションも難しく、良いツールを使わないと、正しい結果は得られないそうだ。その友人が言うにはアジレント・テクノロジーのシミュレータを使うべきだって。一度、アジレントに連絡してみたら。早く、トラブルを解決してもらわないと、俺の作業を始められないからね」。と言って、その場を立ち去った。

 「ライバルにアドバイスをもらうなんて・・・。情けないなぁ」。しかし、K氏にはほかに解決の糸口が見つかっていない。アジレントに連絡をとるしかほかに方法がなかった。

 すぐにシミュレータの担当者につながった。「DDR3のトラブルとシミュレーションの件で・・・」と告げたら、間髪入れずに「心配しないでください。同じような問い合わせはとても多いのですが、ADSを使うことでほとんど解決できています。明日にでも伺いますよ」と言って担当者は電話を切った。


 翌日、ADSの担当者がやってきた(図1)。その担当者が言うには、DDR2からDDR3に切り替えるときにシミュレーションに関するトラブルが多発しているという。「既存の伝送線路/回路シミュレータでは、解析できるモデルに制限がある上に、考慮できない条件やパラメータが多い。しかしADSは、電源の変動を考慮したり、電磁界解析や測定で得られる周波数ドメインのSパラメータを使って時間軸ドメインの解析を高い精度で実行したりできます。しかも、同一環境で2次元や3次元の電磁界解析が可能なため、さまざまなモデルや構造の特性を算出して、それを考慮したシミュレーションが可能です。実測値とシミュレーション結果の相関は非常に高いですよ」。


図1 回路/電磁界シミュレータ「ADS(Advanced Design Systemソフトウェア)」の画面写真



 実際、最初の基板設計データをADSでシミュレーションしたところ、DDR3メモリ・バスのアイパターンは、実測と同じようにつぶれてしまっていた。「そうか、DQラインのビアと、グラウンドの取り方に問題があったのか・・・」。K氏はやっと、トラブルの原因に到達した。「原因が分かれば、対処できます」。いや、ここから先は、意地でも自分の力で解決したかった。気を付けるべき点は分かっているつもりだった。しかも、ADSというツールがある。

 ADSを使ったシミュレーションで、大きくアイパターンが開いた波形が得られるまで、そう長い時間は掛からなかった(図2)。急いで、設計データを基板メーカーに送る。それと同時に、ADSの購入手続きをとった。K氏はようやく、長いトンネルを抜けることができた。


図2 ADSを使って解析したアイパターン
ADSは、高速デジタル設計に高周波アナログ設計で培った様々な技術を適用している。このため、時間軸解析でSパラメータを精度よく取り扱うことができ、図のようなアイパターンも高精度に解析することが可能だ。

   
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【1】問題と背景

【2】解決1:「そのシミュレーション、本当に正しいの」

【3】解決2:「オシロだけじゃダメ、ロジアナも活用しなきゃ」

【4】この問題を解決したソリューション

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