DDR3メモリ 事例紹介

 海外の組み込み機器メーカー(設計部門)
 設計難易度が飛躍的に高まるDDR3メモリ
 ロジアナとシミュレータの活用で立ち向かう

 高速なメモリ・バスである「DDR3」。これを電子機器に採用すれば、システムの高性能化を実現できる。
 しかし、伝送速度が極めて高い上に、従来は使っていなかった新技術を適用している。
 このことがトラブルを生む危険性を秘めている。

【4】この問題を解決したソリューション  

事例紹介:
海外の組み込み機器メーカー(設計部門)
設計難易度が飛躍的に高まるDDR3メモリ
ロジアナとシミュレータの活用で立ち向かう


【1】問題と背景

【2】解決1:「そのシミュレーション、本当に正しいの」

【3】解決2:「オシロだけじゃダメ、ロジアナも活用しなきゃ」

【4】この問題を解決したソリューション


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  テーマ:DDRアナライザ、ADS
回路/電磁界シミュレータとDDRアナライザ、DDR3メモリ採用の機器設計に不可欠なツールに

    -回路/電磁界シミュレータで不具合を未然に防ぎ、DDRアナライザでデバッグ効率を高める-
   
  概要
 高速なメモリ・インタフェース仕様である「DDR3(Double Data Rate 3)」。パソコンやサーバーの主記憶(メイン・メモリ)の高性能化を狙い、2005年に規格が策定されました。すでにパソコンやサーバーでは、広く普及しています。

 DDR3仕様の特徴は、データ転送速度が非常に高い点にあります。前世代のDDR2仕様と比較すると約2倍に達します。こうした高速化は、メモリ・バスのクロック周波数を高めたことに加えて、8ビット幅のパラレル・バスを採用することで実現しています。DDR3には、データ転送速度の違いによって仕様が複数あります。クロック周波数の範囲は400M〜1333MHz。クロック周波数が400MHzの仕様の名称は「DDR3-800」で、データ転送速度は6.4Gバイト/秒。クロック周波数が最も高い1333MHzの仕様名は「DDR3-2666」で、データ転送速度は21.333Gバイト/秒にも達します。

 メモリ・バスのデータ転送速度が高まれば、それを採用したメモリ(DDR3 SDRAM)を載せる電子機器のシステム性能を高めることができます。電子機器のエンジニアにとっては、メモリ・バスの高速化は歓迎すべき動きです。しかしエンジニアは、ただ喜んでばかりはいられません。メモリ・バスのデータ転送速度が高まれば、プリント基板の設計が難しくなるからです。しかもDDR3には、終端抵抗値を動的に制御する「ダイナミック・オン・ダイ・ターミネーション(Dynamic ODT:Dynamic On Die Termination)」などの新機能も搭載されています。こうした新機能を理解して使いこなさなければ、トラブルに巻き込まれてしまいます。

 パソコンやサーバーのエンジニアはすでに、これらの技術的なハードルを乗り越え、トラブルをほぼ発生させることなく設計できる状況にあります。しかし、DDRメモリを使うのは、パソコンやサーバーのエンジニアだけとは限りません。現在、DDR3メモリはパソコンやサーバーに広く普及しているため価格が低下し、前世代のDDR2メモリとの価格差がかなり縮まっています。このため、産業機器や医療機器などの組み込み機器でも、DDR3メモリを採用できる環境が整いつつあるのです。

 こうした組み込み機器のエンジニアは、DDR3メモリを初めて手にすることになります。当然ながら、こうしたエンジニアは、プリント基板の設計や、新機能の使いこなしといった課題をクリアしなければなりません。

 これまでパソコンやサーバーにおけるDDR3メモリに関する設計をサポートしてきたアジレント・テクノロジーでは、二つのツールを活用することを勧めています。一つは、回路/電磁界シミュレータ「ADS(Advanced Design System)」です。これを使えば、伝送信号波形を高い精度で求めることが可能になります。従って、プリント基板を作成する前に問題を把握できるようになるため、設計コストや、設計に費やす時間を大幅に削減することが可能になります。

 もう一つは、DDR2/3に最適化したロジック・アナライザ「DDRアナライザ」です。これを使えば、DDR2/3メモリのプロトコル解析や、タイミング違反などのコンプライアンス試験、パフォーマンス解析、物理アドレス・トリガなどを実行できるようになります。オシロスコープでは見えなかった情報を可視化できるため、デバッグの効率を高められるわけです。しかも安価。一般に「ロジック・アナライザは高価」という認識があるようですが、DDRアナライザであれば約300万円(2014年1月現在の概算、税抜き)で入手できます。

◇ ◇ ◇

高い精度で伝送波形を解析

 それでは、回路/電磁界シミュレータ「ADS」の特徴を説明しましょう。

 ADSは、高速デジタル設計に向けた高精度なシミュレーション環境を提供していますが、実はRF/マイクロ波アナログ設計で業界標準のツールです。DDRに代表される高速デジタル信号は、ビットレートが高まるにつれてアナログ波形の振る舞いを把握することが必要になっています。このためRF/マイクロ波回路設計で培われたADSの高精度なアナログ波形のシミュレーション技術が高速デジタル設計に求められます。特にSパラメータを使った正確な時間軸解析は特許技術(US Patent No:7,962,541)です。この技術により、伝送信号波形やアイパターン、過渡応答波形などを正確に求めることが可能です(図6)。


図6 ADSで解析したアイパターン
ADSでは高精度なアイパターン解析が可能。DDRでは同期クロックに合わせたアイパターンの描画で実際にレシーバが受け取る波形を観察可能。



 ADSを利用するメリットはもう一つあります。それは、同一環境に平面電磁界解析ツール(Momentum)や3次元電磁界解析ツール(FEM for ADS)を搭載しているため、複雑な形状の信号配線(ビアホールなど)や電磁界効果(カップリング効果や寄生効果など)をモデル化して、シミュレータに簡単に取り込めることです(図7)。もちろん、業界標準のICモデルであるIBISモデルやIBIS AMIモデル、SPICEモデルも使えます。「こうしたモデルをくまなく考慮することで、解析結果と実測結果に高い相関が得られるようになります」(アジレント・テクノロジー)。


図7 電磁界解析ツールを使ってシミュレーション・モデルを作成
周辺レイアウトの影響や複雑な構造のビアの特性を反映するには電磁界解析が必要。ADSは同一環境で平面、3D、2つの電磁界解析を利用可能。



 ADSは、さまざまな用途に対応できます。具体的には、高速デジタル設計のほか、RF/マイクロ波設計、RFIC/MMIC設計、RFモジュール設計、RFボード設計です。組み合わせる解析モジュールや解析モデル・ライブラリを変更することで上記の設計案件に対応します。

◇ ◇ ◇

手軽に使えて、高い効果が期待できるDDRアナライザ

 「DDRアナライザ」は、同社の高性能差動ポータブル・ロジック・アナライザ「16850シリーズ」をベースに、DDRメモリに最適化したプローブとセットアップ・ファイル、解析ソフトウエアを組み合わせたものです(図8)。プロトコル解析や、タイミング違反などのコンプライアンス試験、パフォーマンス解析、物理アドレス・トリガなどの機能を利用できます。


図8 DDRアナライザ
ベースとなるのは、アジレント・テクノロジーの高性能差動ロジック・アナライザ「16850シリーズ」である。



 対応するメモリ仕様はDDR2とDDR3。ただし、ステート測定でプロトコル・デコード(アドレスとコマンドのみ)が可能なメモリ・バスのクロック周波数には制限があります。DDR2とDDR3ともに最大700MHzまで測定することが可能です。すなわち、「DDR2-1333」仕様と「DDR3-1333」仕様まで対応できるわけです。なお、データについては、2.5GHzのタイミング測定で最大400MHzのクロック周波数(サンプル・レートはデータ・レートの3倍程度)まで対応できます。従って、「DDR2-800」仕様と「DDR3-800」仕様への対応が可能です(入力チャネルを半分にすることで5GHzのタイミング測定も可能)。

 DDRアナライザの特徴としては大きく三つの点が挙げられます。一つは、プロービングが容易なことです。DIMMやSO-DIMMにDDRメモリが実装されている場合は、インタポーザ・プローブが利用できます(図9)。一方、組み込み機器では、DDRメモリをプリント基板に直接実装しているケースが多いようです。この場合については、BGAプローブを用意しています。DDRメモリを一度取り外し、プリント基板とDDRメモリの間にBGAプローブを取り付けるだけで測定を実行できるようになります。二つめの特徴は、使い方が簡単なことです。セットアップは、専用のセットアップ・ファイルを読み込むだけです。さらにDDR解析ソフトウエアやトリガ生成ツールがあらかじめ用意されているため、DDRメモリ・バスの信号を比較的容易に解析できるようになります(図10)。三つめは安価なことです。DDRアナライザは300万円台(2014年1月現在の概算、税抜き)で入手することが可能です。


図9 さまざまなプロービングに対応
DIMMやSO-DIMMにDDRメモリが実装されている場合はインタポーザ・プローブ、DDRメモリがプリント基板に直接実装されている場合はBGAプローブが使える。


図10 コンプライアンス試験の解析
仕様を満足しない個所は赤色で、マージン(余裕度)が小さい部分は黄色で表示される。それぞれの項目をクリックすると、トレース・データ上の違反個所が分かる。



 組み込み機器のエンジニアにとって、DDR3メモリの採用は決して簡単ではない設計案件になるでしょう。しかし、備えあれば憂いなし。回路/電磁界シミュレータ「ADS」と、「DDRアナライザ」をあらかじめ用意しておけば、難易度が高い設計案件もクリアできるようになるはずです(図11)。


図11 全入力信号のアイパターン解析など豊富な解析機能
ロジアナに接続した信号ラインのアイパターン解析、プロトコル・デコード、実効転送レート、コマンド解析など、豊富な解析機能を用意した。

   
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設計難易度が飛躍的に高まるDDR3メモリ
ロジアナとシミュレータの活用で立ち向かう

【1】問題と背景

【2】解決1:「そのシミュレーション、本当に正しいの」

【3】解決2:「オシロだけじゃダメ、ロジアナも活用しなきゃ」

【4】この問題を解決したソリューション

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